透析療法とは腎機能が正常の10%~15%以下となり、血液の濾過・尿の生成が充分に行えず、体内の老廃物の除去や水分のコントロールが出来なくなってきた場合に行う腎不全末期の治療法であり、延命治療でもあります。

シャントと呼ばれる腕の血管に回路とつながった針を刺し、ポンプによって体外へ送った血液を透析液の流れているダイアライザーという装置(人工腎臓)を介し、浄化された血液を体内へ戻す「血液透析」「 血液濾過透析 」と腹腔内に留置したカテーテルチューブより透析液を注入し、自身の腹膜を介して一定時間経過後透析液を排液する「腹膜透析」があります。

透析患者さまの97%が選択されている「血液透析」と「 血液透析濾過透析 」を当院では行っております。

※ダイアライザーとは8000~2000本のストロー状の半透膜の中を血液がその外側を透析液が流れており、血液と透析液が逆方向で走行することにより拡散と限界濾過が行われる装置です。

透析室で行われている体に合わせた治療法

血液透析 HD

血液透析(HD)は、 過剰な体内の水分除去と拡散という現象を利用して毒素や老廃物を除去する方法です。

透析膜を介した血液と透析液との間の濃度差から起きる、物質(毒素)が液体に溶けている時に液体の濃度が均一になるよう、物質(毒素)が濃度の薄い方から濃い方へ移動し広がる現象を拡散 といいます。

尿素窒素(BUN)・クレアチニン(Cr)・尿酸(UA)などの分子量の小さな毒素を功利的に除去できます。しかし、 β2-MG(ベータ2ミクログロブリン)などの中~高分子の毒素に対する除去が非効率的です。

血液濾過透析 HDF

血液濾過 HF

限外濾過圧を用いて血液濾過器(ヘモフィルター)を通して毒素の除去を行う血液濾過(HF) という方法があります。毒素・老廃物の除去と電解質のバランス調整のため、血液中に補充液を注入し濾過する治療法です。血液透析(HD)より急激な血漿浸透圧の変化が起きにくいため、透析困難症(透析中の低血圧)や眼圧の高い緑内障の方や脳圧の高い方に効果的です。

しかし、血液透析と比較すると尿素窒素(BUN)・クレアチニン(Cr)・尿酸(UA)などの分子量の小さな毒素の除去が劣ってしまいます。

そこで、血液濾過透析(HDF)は血液透析(HD)と血液濾過(HF)の双方の利点を組み合わせた透析治療です。

HD+HF=HDF

HDFにはオフラインHDFとオンラインHDFがあります。補充液の量が大きく違い老廃物の除去率の違いに現れます。当院ではより多くの老廃物の除去の可能なオンラインHDFを行っております。

補充液は治療装置より直接血液内に注入されるため、無菌状態の超純水の補充液ときれいな透析液が絶対条件となっております。

HDFによる利点

血液透析(HD)では取り切れない老廃物の除去

下記の症状の軽減・改善

  • 掻痒感
  • イライラ感
  • 透析アミロイドーシスによる骨や関節症状
  • レストレスレッグ症候群
  • 心臓への負担の軽減
  • 貧血の改善(造血阻害因子の除去)
  • 食欲増進による栄養状態の改善
  • 排尿機能の延長
  • 不眠の改善
  • 抹消神経障害
  • 透析中の血圧の安定
  • 日常生活での血圧の安定

血管中の水分が除去されると血管外の水分が血管内に戻ってくる事をプラズマ・リフィリングといい、この作用には個人差があり動脈硬化が進むと遅くなる傾向にあります。HDFはこの作用が早くなることにより動脈硬化の進行している患者様でも透析中の血圧低下を起こしにくくなると言われています。

限外濾過 ECUM

限外濾過とは透析液を使用せずにダイアライザーに圧力をかけて余分な水分と塩分の除去のみを行い老廃物の除去はしない方法です。 急激な血漿浸透圧の低下が少なく透析中の低血圧を防げます。

体内の過剰な水分により、心不全や肺水腫を起こした際の水分除去を目的とした治療法です。

透析液について

より効率的なβ2-MG除去を目指し、 当院では透析液にカーボスター(無酢酸透析液)を使用しております。

ウルトラピュアウォーター

透析用水に含まれる細菌やエンドトキシン等の様々な不純物を除去することが、安全できれいな透析液を供給する為に必要不可欠です。

当院は日本臨床工学技士会の定めた透析液清浄化ガイドラインver2.01に基づき、月に1度水質検査をし水質管理を徹底しております。